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全音大生必見!音大生就活支援サービス「ミュジキャリ」創業者の白鳥が目指す理想の社会とは?

 
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こんにちは!音大生就活支援サービス「ミュジキャリ」編集部のなつぼっくりです。
今回は、ミュジキャリを運営するRENEW株式会社の代表取締役・白鳥さゆりさんにインタビューをしました♪

音楽高校・音楽系学部を卒業後に新卒で就職され、会社員×ピアニストとして独自のキャリアを築いていった白鳥さん。起業をされて、日本最大級の音大生就活支援サービス「ミュジキャリ」の創業に至るまでには、どのような思いや考えがあったのでしょうか?早速聞いてみようと思います!!

自己紹介

なつぼっくり:本日は宜しくお願いします!簡単に自己紹介をお願いできますか?

白鳥2018年にRENEW株式会社を創業し、音大生就活支援サービス「ミュジキャリ」を運営しています。幼少期からピアノを始め、兵庫県立西宮高校音楽科を経て、大阪教育大学教養学科芸術専攻音楽コースに進学しました。

卒業後は新卒でリクルート(当時:リクルートエージェント)に入社し、起業するまでは会社員をしながら、ピアニストとしても活動していました。

なつぼっくり:宜しくお願いします!

音大進学~就職を決めるまで

なつぼっくり:お話してくださった経歴について詳しくお伺いしてみたいと思います。白鳥さん自身は、音高から音楽系学部へと進学されましたが、始めから就職しようと考えられていたんですか?

白鳥そんなことは全く無いです!「絶対にピアノで食べていく!」と思っていました。だから大学が決まってアルバイトができるようになったタイミングで、「ピアノで食べていきたいなら、まずはピアノで仕事をすべきだ」と思ったんです。

地元にプロの方も演奏しに来るような有名な高級レストランがあったのですが、学生の募集はなく…そこで、自分で電話を掛けて直接お願いしたら、実技オーディションに合格して働かせてもらえることになって(笑)。思いを実現するために人一倍行動することは、当時から常に意識していたと感じます。

なつぼっくり:行動力がすごいです…!音楽にそこまで熱い思いがある中で、どうして就職されたのでしょうか?

白鳥就職を決めた理由は3つありました。

1つ目は、音楽を生業にするのは、経済的に難しいと感じたからです。学生時代、プロの方に混ざって演奏活動をしていましたが、本番当日だけじゃなくて練習など準備の時間も考えると、「頂ける金額が見合っていないな」「これで生活をしていくのは難しいな」と感じてしまったんです。

なつぼっくり:私も学生時代に演奏活動をしていて、同じような経験をしました。学生のアルバイト代としては十分でも、「そのお金で生活していく」と考えると、不安になってしまう額ですよね…

白鳥そうですよね…2つ目は、先輩方を見ていて、「自分も同じように生きていきたいのだろうか?」と疑問を持ってしまったからです。

自分よりもピアノが上手な先輩でも、卒業後はアルバイトをしながら演奏活動を続けている人もいました。その進路自体はひとつの選択肢だと思いますが、私にとってはワクワクする選択肢として捉えられなかったんです。

3つ目は、音楽だけを続けていくことに疑問があったからです。

私は音高に入るまでは勉強や部活動も頑張っていたからこそ、音楽の道に進んでからは、あまりに音楽以外を経験できない環境に違和感を感じることが、少なからずありました。「音楽だけを学ぶことで、人として成長できるのだろうか?」と考えたんですね。

なつぼっくり:そうだったのですね!音楽を勉強していると、教員という選択肢もあるのではないかなと思いましたが、教員の道は考えられましたか?

白鳥:音楽を活かせる仕事で勉強も好きなので、考えていました!ただ、そもそもピアノで食べていきたいとずっと思っていて、「それが無理かも」と思った時に、「なぜ無理なのか?」と考えるようになりました。

考えを突き詰めていって「私の社会経験が足りないからだ」→「じゃあ就職してビジネスの力をつけよう」→「就活しよう!」という風に決めました!

 

学外の友人と就活を頑張っていた、学生時代の白鳥さん。

なつぼっくり:自分のなりたい将来像から逆算して、就活を始められたのですね!就活中、就活をすることへの後ろめたさってありましたか?感じている音大生もいるのではないかと思って…

白鳥:それはかなり感じていました。音楽に対しても、周りの人に対してもです。スーツで大学に行ったら目立つから、着替えてから登校…という日もありましたね。先生にも、就活していることも言い出せなかったです。

「この子は就職するからピアノは適当なんだな」とは絶対に思われたくなかったので、就活を始める前と同様に、ピアノには力をいれていました。実際、就活中に受けた学内実技試験(ピアノコンチェルト)で好成績を収め、選抜演奏会に出演したりもしていました。

なつぼっくり:音楽にも就活にも全力な大学生活を送られていたんですね!そこから最終的に第一志望の会社から内定を獲得されたと伺いました。どのように就活をされていましたか?

白鳥:私の就活は、とにかく「行動量」でした。周りに就活している同級生もいなく、相談できる先輩や先生もいない。「ピアノしかやってきていない自分に就職なんてできるのだろうか」という不安も拭えない。そんなマイナスからのスタートだったからこそ、行動だけは誰よりもしようと決めていました。

なつぼっくり:不安な中でも強い気持ちを持って行動されたんですね!具体的にはどのようなことをされていましたか?

白鳥:具体的には、積極的に他大学の学生と交流をはかっていました。説明会に行っては両隣の就活生と連絡先を交換して、そこから先輩を紹介してもらって…気づいたら就活でできた友達は200人以上です(笑)
就活をした約1年間で、たくさんの人と出会い、たくさんの会社を知り、最終的には最善の選択ができたと思っています。

一方で、周りに相談できる人がいない、情報が全く入ってこない、という環境だったからこそ、当時を振り返ると無駄な行動だったと思うことも沢山あります。当時の経験は、ミュジキャリ創業への大事な原体験ですね。

なつぼっくり:「白鳥さんは演奏でも就活でも結果を残されてすごいな~」と思っていましたが、演奏でも就活でも目標のために行動することが大切ですね!

会社員×ピアニストとして

なつぼっくり:新卒でリクルートに入社された後はどのような仕事をされていたのでしょうか?

白鳥入社してからは、法人営業を担当していました。具体的に言うと、採用を考えている企業様に対して、「こうするともっと御社の理想とする採用ができますよ」という風に採用活動のコンサルティングを行っていました。

入社後には、「ビジネスってこんなに人の役に立てるんだ!面白い!」とのめり込んでいきました。MVPを受賞したり、入社3年目で社内最年少リーダーに抜擢されたり、自分が頑張ったら頑張った分だけ評価されるのがとても嬉しかったです

なつぼっくり:素晴らしいですね…!そして、就職された後も音楽を続けられていますよね。どのような活動を行われていたのでしょうか?

白鳥ピアノが置いてある飲食店に自ら営業をかけて飲食店での演奏の仕事を獲得したり、ピアノコンチェルトのソリストとしてオーケストラとの共演を行ったりしました。また、働きながらコンクールにも出場し、第18回ペトロフピアノコンクール(現:東京国際ピアノコンクール)では第1位になることができました。

なつぼっくりすごすぎます…仕事だけでも大変な社会人生活の中で、どのように練習時間を確保されていたのでしょうか?

白鳥基本は土日を使って練習しました。コンクールや、ピアノコンチェルトのような大きい本番の前は、1ヶ月前ぐらいから会社近くのスタジオで平日に朝練(6:30〜8:30)をしていました!

なつぼっくり:短時間で集中して、仕事と音楽を両立されていたんですね!

 

会社員として働きながら、ピアノコンチェルトにソリストとして出演された白鳥さん。

 

ミュジキャリの創業

なつぼっくり:白鳥さんは音大生就活支援サービスの「ミュジキャリ」を創業されていますが、改めて「ミュジキャリ」とは、どのようなことを行っているのでしょうか?

白鳥就職を希望する、または進路の1つとして考えている、音大生の就活支援を行っています。ES添削、面接練習などの具体的な対策の他、就職を考える音大生同士のコミュニティを用意するなど、様々なサービスを提供しています。

利用者は年々増加しており、現在は就職する全国の音大生の2人に1人が登録する、日本最大級の音大生特化型の就活支援サービスになりました!

なつぼっくり:私の周りにも、「実はミュジキャリに登録しているんだ」という音大生が多くいました!どうして、ミュジキャリを作ろう、と考えられたのでしょうか…?

白鳥先程もお話しましたが、大学時代に演奏活動をしていて、努力に対して対価が見合っていないと感じたとき、「小さい頃からこんなに音楽を頑張ってきて、どうして報われないの?」と悔しい思いでいっぱいになりました。

だからこそ、「私のように本気で音楽を学んだ人が、未来に希望を持てるような社会をつくりたい。いつか音楽業界に自分の経験を還元できる、そんな人になる。」と心に決めたんです。

つぼっくり:音楽を本格的に学んできた白鳥さんが、ビジネスと出会って、ミュジキャリが誕生したんですね!ミュジキャリを運営する上での今後の目標は何ですか?

白鳥私がミュジキャリを通して実現したいのは、たくさんの音大生を就職させることではなく、「音楽を学ぶ」ということの価値を向上させることです。

ミュジキャリをリリースした当初は、とある音大の教授に「うちの学生に音楽の道を諦めさせるつもりですか!?」と厳しく批判されたこともありましたし、「そんなのできっこないよ」と周りから反対されることも多かったです。

しかし地道に続けていくうちに

「ミュジキャリのおかげで、人生が変わった」
「ミュジキャリがあったから、音大進学をする決意ができた」
「ミュジキャリを通して、音大生で良かった、と自分の音楽人生を肯定できた」

と言ってくれる音大生が増えていきました。

今後は、ミュジキャリを通して沢山の音大生の卒業後問題を解決しながら、クラシック音楽の需要拡大につながるサービスを創っていきたいと考えています!

なつぼっくり:「音大に行っても様々な進路を選べるんだ」「頑張ったことは無駄にならないんだ」という安心感は、音楽を全力で学ぶ上での心の支えになりますね。今後の事業についても、またお伺いしたいです!

音大生へのメッセージ

なつぼっくり:最後に、この記事を読んでくださっている音大生の皆様にメッセージをお願いします!

白鳥就職、教員、音楽教室講師、フリーランス…音大生の卒業後の進路には、様々な選択肢があります。しかし、どの進路を選択しても、音大時代ほど、練習する時間があって、定期的な実技試験があって…と音楽を学び続ける恵まれた環境に身を置くことは難しいと思います。卒業後は、「学ぶ側」から「世の中に価値を提供する側」に変わるということを常に意識して、学生時代を過ごしてみて欲しいと思います。

この記事を読んでいる方の中には、「卒業後どうしよう…」と迷っている方もいるかもしれません。しかし、どんな進路選択をしたとしても、音楽で培った経験や人間力は色褪せることはありません。

 だからこそ、せっかく音大に入ったのなら、まずは全力で音楽に打ち込んでほしいです。もし就活のことで迷ったら、いつでもミュジキャリにご相談ください!

なつぼっくり:本日はありがとうございました!

 

 

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