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「就活スタートが遅かった分、何倍も努力する」ギリギリで就活した音大生が語る就活体験記

 
この記事を書いている人 - WRITER -
桐朋学園大学ピアノ専攻四年生 ミュジキャリ一期生として就活をしていました。 最近エヴァンゲリオンにハマっています。 見ていた業界は、鉄道と不動産デベロッパーです。

卒業後どうしよう…?と将来について悩みを抱えている音大生は多いのではないでしょうか。

一般企業に就職したいけど周りに同じような人がいない、就職はしたいけど音楽は続けたい、留学しようと思っていたけれど情勢的に就活をしたい、、、など葛藤がたくさんあると思います。

そこで今回は、ギリギリで就活を開始し、苦労の末CM製作会社から内定を獲得した21卒音大生に音大生就活のアレコレをインタビューをしました!!

音楽の道に進むか悩んでいる人や音大から就活をすることに自信がない人は勇気を貰える記事になっています✨

【プロフィール】

対談者 樋口みのり 国立音楽大学サクソフォーン専攻 内定先:CM制作会社

筆者  くまくま 桐朋学園大学ピアノ専攻 内定先:鉄道会社総合職

就活の道に決めた理由は?

経済的に自立したいと考えたからです。私は大学進学を機に地方から上京してきたのですが、東京で自分の力でお金を稼ぎ、親からかけてもらったお金を返したいという気持ちがあります。
演奏家の道も興味はありましたが、多くの方がアルバイトで生計を立ててなんとか演奏会を開催している現実を知り、焦って就活の道に決めました。
大学3年生の2月に開催されたミュジキャリのイベントに駆け込み、そこから一気に就活をスタートしました。

樋口みのり

大学3年生の2月ってかなりギリギリですが、他の進路と迷っていたのですか?

筆者

迷っていたというよりも、単に就活のスケジュールが分かっていなかったという理由が大きいです。

普通は大学3年生の春~夏頃に就活をスタートすると思うのですが、その時期には就活スケジュールを把握しておらず音楽だけに専念していました。大学3年生の5月に憧れのプロオケから奏者として呼ばれたことで「演奏家もいいかな?」と思い音楽を頑張っていましたが、プロオケで活躍している先輩方も卒業後すぐには安定した生活を送れず30 ~40歳でやっと生活が安定してきたと聞き、自分がなりたい将来とは違うなと感じました。それで、就活をするために行動しよう!と思った時にはもう2月で…。ちゃんとスケジュールを把握していたら、プロも考えつつも情報を集めたり説明会に参加したりしていたと思います。前々から行動に移す時間は充分にあったのに、と後悔しています(汗)

樋口みのり

就活はスタートの時期が早いですよね。その時期から始めると、結構大変じゃないですか?

筆者

かなり大変です。遅く就活を始めた場合、とにかく行動を起こすことが大切です。前々から準備している人は長期間行動し続けているので、それを短期間でカバーするには人の何倍もの行動量が必要になります。 企業の説明会をはしご、その後にミュジキャリの講座、夜はバイト…のように毎日予定詰め詰めで行動していました。興味がある企業の説明会や選考は全て受けていましたし、逆に興味がない企業も沢山受けて選考の練習をしていました。
また、インターンの経験もなく説明会で聞く話が全てだったため、説明会で質問したいことを用意していったり、説明会の後に社員さんに話しかけてお話を伺ったり、積極的に前のめりに動いていました。

樋口みのり

毎日積極的に動いていたのですね!すごいです。

筆者

 

どんなふうに業界を決めていった?

ミュジキャリの自己分析講座を受けて業界を決めました。最初はいわゆる「好き就活」でエンタメ・マスコミを幅広く見ていて、同時にIT(エンジニア)なども見ていたのですが、自己分析講座を受けて「自分にしか作れないものを作りたい」と思っていることに気が付くきました。そこで、陰で重要なものを作ることに面白みを感じないのでは?と思い、IT(エンジニア)は志望業界から除外しました。
エンタメ・マスコミ・広告の会社が集まる合同企業説明会に参加したところ、CMやMVなどの映像制作会社に出会い、面白い!と思いました。「名前が知られている大手より、自分の働きが会社全体に影響するような規模感が小さい会社が良い」という考えもあって、マスコミ・広告業界の中でも制作会社を受けようと決めることが出来ました。
一言にエンタメ・マスコミ・広告といっても会社によって全く働き方が違うので(例:広告代理店とCM制作会社)どんなふうに価値提供することに興味があるのかをしっかり自己分析したり、たくさんの会社を調べる努力が必要です。 そういった意味では、業界を定めるうえでミュジキャリの自己分析講座の気づきがかなり大きかったと思っています。

樋口みのり

TV制作やCM制作は人気の業界だと思いますが、選考を受けるうえで頑張るポイントなどはありますか?

筆者

そうですね、「自分はどんなものを作りたいのか」を情熱をもってお話しすることだと思います。未経験でも入れる業界ですが、どうやっても大学や専門学校で製作をしてきた人達にはかなわないので、未経験なりに「どういうものを見てきたのか、だからどういうものを作りたいのか」などをちゃんと語れることが大切ですね。

樋口みのり

内定先に決めた理由は?

CM映像制作会社に決めたのですが、理由は2つあります。
1つ目は、個人としての自分に興味をもってくれた点です。他の会社は「音大生」いうことに興味を持ってくださる印象でしたが、内定先は「音大生の樋口さん」ではなくて、「あなたの作りたいものはなに?」など音大生という色眼鏡なしに個人として興味を示し選考してくださいました。
2つ目は、ワークライフバランスです。TVの制作会社も受けていたのですが、TV制作会社も他のCM制作会社も、説明会や面接で「プライベートの時間が無くなるけどいいの?」と言われていました。内定先は「働く環境が良いからこそ良い作品が作れる」という考えでワークライフバランスを重要視しており、社員を大切にしていることが伝わってきました。

樋口みのり

音大生ならではの、頑張るべきポイントは?

周りの雰囲気に流されないことです。
普通の大学だと、なんとなく生活しているだけでも就活の情報が入ってきますが、様々な進路を選ぶ人がいる音大では自分が今やるべきことにアンテナを張る必要があります。 私自身、大学3年生の時点で就活開始だと知っていたらインターンなどに沢山行きたかったなぁという後悔と反省があるので、みなさんは情報収集をしながら周りの雰囲気に流されずに頑張ってほしいです!

樋口みのり

音大生で良かったと思えた瞬間は?

「本当に力を入れて取り組んできたこと」がいくつもあるということです。
演奏会はもちろん、演奏の技術向上に取り組む過程のこともお話しできるので、頑張ったエピソードがたくさんあると思います。
音楽経験だから強いのではなく、本当に頑張ったエピソードだから面接で強いのだなと感じています。

樋口みのり

自己PR、がくちかの内容は?

ガクチカは演奏会の企画運営について書いたのですが、専攻楽器を「サクソフォーン」と書くと文字数をとってしまうので必要な時のみ書いていました。
また、「数字としての結果があるほうが凄さが分かりやすく伝わるかな?」と思い、演奏会で集客数が具体的にどのくらい増えたのかを記載していました。
集客数を増やすことと、演奏会のクオリティ向上のどちらも目指していたので、結果と自分が力を入れたことがどちらも結びつくようにロジックにも気を付けていました。
クラシックの演奏会自体が音楽をやっていない人には伝わりづらいので、分かりやすい言葉を意識していました♪
 
 
がくちか  

演奏会の企画・運営です。40人規模の団体で3年次に企画リーダーとして携わりました。「関わる全ての人が満足する演奏会」をテーマに次の2つを行いました。1つ目は会場の変更です。集客する対象は同大学の学生が多いため、大学からのアクセスが良い会場に変更することで集客数増加を狙えると考えました。また頻繁に前売り券の出数を知らせることで出演者の宣伝意欲に繋がりました。2つ目は演奏のクオリティ向上を狙った練習時間の確保です。合宿や集中練習を行ったことで、課題点が明確になり効率的な練習ができました。結果、前年より集客数が60人以上増え、アンケートから満足度が高かったことが分かりました。出演者からもクオリティ向上を実感する声を多数いただきました。3年生である自分に裁量権を与えてくれたという自信と、だからこそ成果を出さなければならないという責任感が鍵となり、目標達成に向けて努力できる人間へと成長したと感じています。

 
自己PR  
私の強みは探究心の高さです。13歳からサクソフォーンを学び始め、自分の納得がいく演奏ができるまでとことん理想を追求してきました。その中で特に力を入れてきたことは次の2つです。1つ目は取り組む作品の背景となる文化や歴史、言語を学ぶことです。その作品のルーツを理解していれば楽譜上の情報だけではできない細かな表現が可能になり、より解像度の高い解釈に繋がりました。2つ目は自分の癖を分析し楽譜に忠実な演奏をすることです。行き詰まった時に演奏時の身体の使い方や演奏中に考えていることを書き出してみることで客観的な視点で考えられるようになり、改めて作曲者の意図を純粋に演奏で表現できるようになりました。この2つにより独りよがりでなく他者に認められる演奏ができるようになりました。その結果ソロやアンサンブルで出場したコンクールにおいて、賞をいただくことができるようになりました。

樋口みのり

ミュジキャリで就活をして良かったことは?

1つ目は自己分析講座・面接練習・GD練習など就活対策がたくさんできたことで、2つ目は就活をしている音大生にたくさん出会えたことです。面接練習などで自分よりも経験をたくさん積んでいる学生に出会って刺激を受け、もっと頑張らなきゃ!とやる気に繋がっていました。

樋口みのり

音大→就活は負け組?

そんなことはないです。演奏家も考えていたからこそ、生計を立てることを考えないで音楽の道に進むのはオススメしません。フリーランスや院への進学を考えている人こそ自己分析が必要で、就活でやる事は一通りやった方がいいと考えます。  
私が受けていた業界は音大という学歴に全くハンデは感じませんでしたし、学歴を卑下せずに就活に挑戦して欲しいなと思います。

樋口みのり

就活で得たもの、変わったことは?

自分に自信を持てるようになったこと、社会全体のことに興味を持つようになったことです。
音大生が就活をすることに元々ネガティブな印象はありませんでしたが、ミュジキャリに出会い「自分がやってきたことって意外とすごいじゃん」と思えて自信を持って人にお話しできるようになりました。
また、選考を受けている中で今まで関わりがなかった分野のことを知り、いろいろなことが繋がって社会が成り立っていることを学びました。それからは社会の動向が面白いと感じるようになりました。

樋口みのり

中長期的な夢は?

仕事面では、プロデューサーとして企画を考えたり人と人を繋ぐような仕事をして「樋口さんだから任せたい!」と指名していただけるようになることが目標です。
プライベートでは、ライフワークバランス大切にしてる会社ですし、音楽を続けていきたいです。いつになるかはわからないですが、地元の山形でコンサートを開きたいです。

樋口みのり

後輩へメッセージ

私は就活のスタートが遅かったことをすごく後悔しています。進路に悩む人はまず行動して欲しいです。合う合わないの適性はありますが、今は何にでもなれる状態です。視野を広くもって頑張ってください!

樋口みのり

樋口さん、ありがとうございました!この記事を読んで、音楽の道への対策と両立しながら早めに就活をスタートし、素敵な進路選択をする音大生が増えてくれると嬉しいです!

筆者

ミュジキャリでは、音大や音楽系学部に特化した就活支援サービスを無料で行っています。

樋口さんや筆者もミュジキャリで音大生の戦い方を学び、納得内定を頂きました。

就活すると決めている方はもちろん就職するか迷っている方も、まずはメンバー登録をしてみてください♪
 

この記事を書いている人 - WRITER -
桐朋学園大学ピアノ専攻四年生 ミュジキャリ一期生として就活をしていました。 最近エヴァンゲリオンにハマっています。 見ていた業界は、鉄道と不動産デベロッパーです。

記事監修
白鳥さゆり

国立大学音楽系学部を卒業後、新卒でリクルートキャリアに入社。3年目で社内最年少のリーダーになり、MVPなどの表彰も複数回受賞。2012年、リクルートで働く傍ら出場した東京国際ピアノコンクールにて優勝。2016年の夏に独立し、音大生キャリアの専門家として全国の音大で講演をしながら、個別でキャリア相談に乗るなどの活動を行う。