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【音大卒社会人登壇イベントレポート】前編:就活エピソードについて

 
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こんにちは!音大生就活支援サービス「ミュジキャリ」編集部のなつぼっくりです。

今回は、先日行われたイベント「演奏活動はバイトしながら?それとも…?~音大卒社会人に聞く音楽の続け方~」の様子をレポートしたいと思います♪今回は前編:就活エピソードについてです!
(後編:お仕事&音楽生活についてはこちら

イベントは、ミュジキャリ代表の白鳥さゆりがファシリテーターとして、登壇された方々にお話を聞いていく形で行いました!それでは早速、当日の様子をお伝えしていきたいと思います♪

どんな仕事をしながら音楽を続けられていますか?

白鳥:3人とも業界や年齢はバラバラですが、就職もしながら音楽を続けられているという共通点がありますね。今、どんな仕事をしながら音楽を続けられているのか、聞いてみたいと思います。

Sさん(人材):私は、関西の音楽系大学を卒業した後、新卒では就職せずに、フランスに留学しました。3年後帰国してベンチャー企業の立ち上げ時期に企画職で就職しますが潰れてしまいました。その後リクルートに入り転職支援や求人の紹介を行っていました。

会社員をやりながら、コンクール、コンサートを続けていて、社会人としての両立を意識していました。RENEW株式会社へは2カ月前に入社して、現在は主にキャリアアドバイザーを務めています。

Yさん(金融):2013年に大学のピアノ科を卒業し、新卒で国内のメガバンクに入社しました。窓口業務に5年間携わった後、営業として富裕層のお客様向けに金融の情報全般のコンサルティングを行っています。年3〜4回は演奏会に必ず出るようにしていて、伴奏のお仕事もしています。

Tさん(メーカー):2020年に音大ピアノ科を卒業して、新卒で文房具メーカーに総合職で入社しました。ミュジキャリがまだ小さかった頃に一番最初にお世話になりました。白鳥さんには沢山お世話になりました!

演奏については、去年の11月に音大卒業生のコンサートに出演しました。今年には会社の開会式でピアノを弾く予定です。社会人になったばかりで、まだ音楽活動は少ないですが、ちょっとずつ頑張っているところです。

どんな就活でしたか?

Tさん(メーカー):わたしは大学3年の6月から始めていて、マイナビとかリクナビの説明会に行っていました。7月から8月は業界を知るためにインターン、9月からは自己分析を行い、webテストを年内に完成させるようにしました。12月に業界を絞り始め早期選考を受け始め、2月末に初めての内定をいただき、最終的に6月に2週目に現在の会社の内定を獲得しました。こんな感じでちょうど1年間就活していました。

白鳥:当時は就活のタイミングは今とほとんど同じでしたが、オンライン説明会、なんてほとんどないから大変でしたよね!

Tさん(メーカー):1日3社が限界でしたね!ヒールで走っていました(笑)説明会が重なったりした時は、優先順位をつけて、いきたい企業を優先させるようにしました

白鳥:それは大切ですね…!Sさんはどうでしたか?

Sさん(人材):私は新卒では活動していないので、卒業後就職しないで音楽活動したい人に参考にしてもらいたいです。私が留学を経て就職を決めた理由は3つありました。

1つ目は、演奏家として自立するのが難しいと感じたためです。2つ目は、音楽だけをやってきたので、日本の社会や他のことを学びたいと思ったこと、3つ目は自分自身が音楽に恩返しをしたいと思ったからです。

紹介してもらえる企業が少なくて、エージェントに紹介してもらった企業は全部受けるようにしていました。受けられるところは少なかったので、がむしゃらに受けていましたね。やり方もわからないので、とりあえず自分ができる情報収集して行動、間違えたら修正。それを繰り返して内定が決まりました。

白鳥:受けられるものを全て受ける、というのは大切ですね。今就活している人にアドバイスするなら?

Sさん(人材):最初を選ぶのは本当に難しいと思います!今は、景気が落ちているといっても、ある程度選べます。どの業界にいっても社会人の基礎は学べるし、プラスになるので、最初はこだわらずに行くのも良いと思います。まずは社会人経験を積むことを優先するのも一つです。

白鳥:既卒と新卒では全然違うのがわかりますね!どちらが良い悪いではないですが、やり方や、やる時期が違います。既卒の方は勉強になりますね。Yさんは就活していたの結構前だよね?

Yさん(金融):13卒です。今の方からしたら10年近く前でしたが、3年の10月に解禁で合同説明会やイベントが始まる、という感じでした。2〜3年生になった時に就活をしたいなと思いましたが、教職も取っていたので就活と勉強を10月に同時スタートさせました。10月は合同説明会やOG訪問にチャレンジしましたが、周りに同じような人が少なくて、ネットで見様見真似でスタートしましたね。

学校の試験や演奏会で時間がないので業界は自己分析で絞ってやっていました。金融を選んだのは、音楽ばかりやっていたので、幅広く色んな視野を持った人になりたいと思ったからです。色んな人に出会える、人間力を高めるために金融は老若男女に出会えて良いのでは、と考えました。あとは、興味があって楽器店も受けていました!

白鳥:わたしも11卒なので近いですね。周りに就活している人は少ないし、オンラインも全然ないから大変でしたね。

Yさん(金融):ミュジキャリみたいなサービスがあったら、またちょっと違うかも(笑)欲しかったです。金融は自分に合っていたけれど、少し危険な進め方だったかなとは思います。色々見れるのは今だけのチャンスなので、情報を集めた方が良いと思います!

白鳥:価値観合っているかは大事。オンラインでもそこは見極めたいですね。

就活で音楽経験をどう伝えていましたか?

Tさん(メーカー):自己PRはオーケストラの合宿委員長の話をしていました。スケジュール管理ができる、人と人を繋ぐ、目標に向けて計画できる、ということをアピールしました。題材としては音楽でも、内容は社会に役立つ術を伝えるようにしました。ガクチカはピアノの演奏会の話をしましたが、自己PRを聞かれることが多かったです!

白鳥:就活生の皆さんに、よく「音楽のエピソードしかないけど大丈夫ですか?」って聞かれるんですが、運営とかどう頑張ったかを伝えると、よいですね。

Tさん(メーカー)社会に役立つ術だね、と面接後のフィードバックで言われました。音楽経験、というよりも普通の自己PRとして聞いてもらえたと思います。

白鳥:「音楽しかない!」と思うのではなく、部活やオーケストラ、吹奏楽部の企画で自分の経験を引っ張るとウケるエピソードがあるかもしれません。既卒就活もエピソードを話すんですか?

Sさん(人材):ガクチカはなかったのですが、自己PRで取り組んだことを話していて、音楽経験を伝えていました。内容としては、常に目標を達成する、ベストを尽くすなどで、チームプレーは?という感じもしますが…(笑)何時間練習して何のコンクールに出て…と具体的なエピソードで「競争社会で強く生きてきたので、人一倍努力できます!」と伝えていました

白鳥:「音楽やってきました!」というよりもそれで目標達成力がついた、と仕事で使えそうなことをアピールしていた感じですか?

Sさん(人材):仕事に結びつけた時に、役に立てそうなことをアピールしていました。音楽経験しかなくても、実技を社会に活かせる自己PRができれば、評価してくれる企業はあります。

Yさん(金融):私も、Sさんと似ています。キーワードは「目標に向かって努力を継続できます!」でした。高校生の時にコンクールで失敗したエピソードを話していました。準備不足で暗譜が飛んで演奏が止まったしまったんです。その後心に決めて、毎日何時間必ず練習したこと、ピアノに向かう以外にも勉強したり暗譜のために試行錯誤して取り組んだ話をして、「練習は絶対に裏切らない。結果につながると確信しています」と伝えていました。音大生ってどんな学生か分からない企業が多いですが、そんな風に話すと社会に役立つ力があると分かってもらえました。

白鳥:目標達成できる人だと、音楽経験で伝えていた?

Yさん(金融):会社によっては、チームでの経験を聞かれていたので、その時は室内楽のエピソードを使っていました。「自分もしっかり主張するが、他の人の考えもどう融合させていくかの訓練をしている」という話をしました。

白鳥:勉強になります!例えば「実技向上のために頑張った」「演奏会の運営を頑張った」というエピソードは皆さんも探すと、いいものを持てているはず!新卒だけではなく既卒も活かせる経験ですね。

就職後に「音大生でよかった」と思った瞬間について

Tさん(メーカー):1つ目は頑張れることです。私が入った時にはコロナで最初からリモートで逆境でした。業務教わるのにも時間かかるし営業に出されて厳しいお客さんに当たった時も…ただ、「音大生のあの生活と比べたら土日休めるしまだ頑張れる」と感じて音大生でよかったと思いました(笑)

2つ目、会社にピアノがあって弾いてよ〜と言われて弾いたりすると場も盛り上がるので音大生でよかったと思います!

白鳥:音大って休みないですよね…ずっと練習。会社は就業時間も管理されていて、やることも決まっているからだいぶホワイト!会社でピアノ弾くのはあるある(笑)就職すると個性として活きますね!

Sさん(人材)Tさんと一緒で、精神的なタフさはありますね。意外なのは、一社目のプロダクトのデザイン会社でプレゼンすることが多かったのですが、本番に向けて事前準備を確実にやるためのマインドコントロールや準備する力は音楽経験が役立って驚きました。

白鳥:音楽やっているわたしたちからすると、コンクールや試験に向けて出来るだけ良い状態で迎えられるようにするのは当たり前ですもんね。

Sさん(人材):準備にめちゃくちゃ時間かけましたね。音大生のしつこさはあります(笑)

白鳥:タフだな~みんな。Yさんは?

Yさん(金融):全く一緒(笑)目標に向けて努力を継続するのは、意外と当たり前ではないことなんですね。個人営業は、やったら必ず成果に結びつく職種。だめだったとしても試行錯誤して動くほど結果につながります。しつこさは、染み付いているかと(笑)仕事の成果につながっているなと思います。挫折や辛い瞬間もあるけれど、私には音楽があるし、という心の支えがあります。ピアノ一本だとそうはいかなかったので、分散できていますね。

白鳥:アイデンティティが2本できるのめっちゃ良いね。就活上手な人も、落ち込んだら楽器やって、楽器失敗したら就活する人かな。音楽×●●、ができるのは私たちの強みですね!

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さて、ここまで前半で就活や仕事のお話についてお送りしましたが、次回はいよいよメインテーマの「音楽と仕事の両立」について お楽しみにしていて下さい!

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