音大生・音大卒向けに就職や転職のサポートを無料で行うサービスです。

「音大生第1号」としてその会社へ飛び込んでいく 人と比べず行動した就活体験記

 
この記事を書いている人 - WRITER -
桐朋学園大学ピアノ専攻四年生 ミュジキャリ一期生として就活をしていました。 最近エヴァンゲリオンにハマっています。 見ていた業界は、鉄道と不動産デベロッパーです。

卒業後どうしよう…?と将来について悩みを抱えている音大生は多いのではないでしょうか。

一般企業に就職したいけど周りに同じような人がいない、就職はしたいけど音楽は続けたい、留学しようと思っていたけれど情勢的に就活をしたい、、、など葛藤がたくさんあると思います。

そこで今回は、音大でも専攻が楽器演奏ではない学部に在籍し、超難関業界から内定を獲得した21卒音大生に音大生就活のアレコレをインタビューをしました!!

音楽の道に進むか悩んでいる人や音大から就活をすることに自信がない人は勇気を貰える記事になっています✨

【プロフィール】

対談者 山碕桜 東京藝術大学音楽学部音楽環境創造科 内定先:超大手総合不動産デベロッパー(総合職)

筆者  くまくま 桐朋学園大学ピアノ専攻 内定先:鉄道会社総合職

 

就活の道に決めた理由は?

元々アーティスト志望ではなく、入学当初から何かしらの組織で働くことを想定していました。学部で学んでいることが演奏技法ではなくて「アートプロジェクト」といって多くの方々を巻き込んで作品を作り上げるような現代美術の領域だったのでプレイヤーになるという進路は考えていませんでしたね。

山碕桜

なるほど、音楽学部の中でも美術に近い芸術を学ばれているとは興味深いですね。

筆者

どんな風に業界を決めていったのか?

最初は音楽業界やエンタメ、広告などを見ていました。

中学高校でホルンを吹いていたこともあり「クラシック音楽の敷居を低くしたい」という想いをもって、大学も「音楽で人と人を繋ぐ仕事がしたい」と思って入学しました。入学して蓋を開けてみたら研究室は音楽というより現代美術寄りですごく驚きました(笑)
音楽学部だし「将来は音楽関係の仕事かな?」とぼんやりと思っている中、大3の夏ぐらいからOB訪問をして「働くとは?」を知るところから就活をスタートしました。

音楽に関わる仕事として、音楽業界・エンタメのインターンに応募していました。芸能プロダクションや映画・演劇業界なども見ていましたね。3月ぐらいまでエンタメ就活でした。

山碕桜

元々見ていたエンタメと内定先であるデベロッパーって全然違うと思うんですけど、方向転換のきっかけはあったんですか?

筆者

ありますね。インターンや説明会でエンタメ業界のことを知ると、「企業として利益を生み出す音楽」と自分が大学で取り組んでいる「公的な文化事業として行う音楽」にギャップを感じたんです。そして「自分は何が好きでアートプロジェクトに関わっているのだろう?」と自問自答したり、

コロナウイルスの影響でエンタメ業界の採用が縮小されていくことを実感したりといったところを経て視野を広げようと考え、ミュジキャリに相談したところ「不動産デベロッパー」という選択肢を知りました。

改めてアートプロジェクトの経験を振り返ると、音楽やアートに関わっていることはもちろん好きだけれど、それ以上に「多くの方々と出会い、それぞれが守りたいものや譲れないものを調整しながら一つのことを創り上げていくプロセスが好き」だと気がつきました。音楽にこだわらなくてもいいのでは?とミュジキャリで言われて目から鱗でした(笑)

そこから一気に方向転換して不動産デベロッパーを第一志望に就活をしました。

山碕桜

なるほど、業界の勉強も自分へ向き合うこともしっかりと行ったからこそ辿り着いた結論ですね! 「価値観が異なる人々と調整を重ねながら一つのことを創り上げる」デベロッパーと、山碕さんの経験や想いはぴったりですね…!

筆者

内定先に決めた理由は?

一言でいうと、人とのフィーリングです。
就活において専攻のアートプロジェクトの内容をわかりやすく説明することに苦労しがちだったのですが、内定先の面接はアートプロジェクトでどのようなことをやっているのか、それがどうデベロッパーと繋がりがあるのかを一次でも二次でもスッと理解してくださって、相性の良さを感じました。
また、「藝大生の山碕さん」ではなく「こういう経験をしてきた、こういう人柄の山碕さん」と見てくれているのを感じて嬉しかったです。
面接でのそのような対話を通して、職能としてデベロッパーとアートプロジェクトが近いものだと確信が持てたのも理由の一つです。

山碕桜

デベロッパーならではの対策は何かしたんですか?

筆者

はい、しました。内定先の手掛けた街に関して、行ったことのある街は自分なりに考えや感想をまとめていました。一言も聞かれませんでしたけど(笑)

山碕桜

ええ!施設見学の感想はデベロッパーでは必ず聞かれる印象なので意外です(笑)

筆者

あ、でも大学がある街にどういう魅力があるのかを聞かれましたね。それに関してはアートプロジェクトの拠点として普段から馴染みのある街だったので、自分の言葉でスルスルとお話しできました。

山碕桜

なるほど、普段からよく考えていたことが活かされたのですね!
ちなみに、超難関業界に内定できた秘訣は何だと思いますか?

筆者

秘訣かどうかは自分でもよくわかりませんが(笑)嘘をつかなかったことだと思います。他の企業では、もちろん事実と違うことを言ったわけではありませんが「耳触りの良い言葉」を無意識に使っていました。内定先では面接官の方との相性の良さも手伝って、「自分が何に魅力を感じるのか」「自分はどんな人なのか」を飾らない自分の言葉でお話しでき、自分をさらけ出せたと感じています。

山碕桜

面接という緊張する場面で自分をさらけ出すのは難しくないですか?

筆者

慣れないうちは難しかったです。ある程度慣れてきてからは「試されているの」のではなく、「与えられた短い時間で自分のことをお話して仲良くなろう」という気持ちで臨んでいました。

山碕桜

面接官は敵ではないので、そのマインドはとても大切ですね!!

筆者

音大生ならではの、頑張るべきポイントは?

ポイントは2つあります。1つ目は、「頑張らないこと」、2つ目は自分を卑下しないことです。
1つ目に関しては、音大って同じ学部で同じ専攻でも個々でやっていることが違うので、人と比べづらいことがメリットだと思うのです。周りが何をしていても焦らずに、自分がやりたいことと向き合えたら一番素敵だと思います。 2つ目は、「芸大」「音大」の肩書きは良くも悪くもインパクトがあるので、珍しがられることをひがまず、ひるまず、ポジティブに捉えられるといいと思います。

山碕桜

音大生で良かったと思えた瞬間は?

先ほどの話と被ってきますが、人と比べないで良いことだと思います。
情報源が少ないというデメリットはもちろんありますが、就活生が少ない音大では周りと比べずに就活に向き合える良い面もあると思いますよ。

山碕桜

自己PR、がくちかの内容は?

印象に残りやすいキャッチーな固有名詞と「自分がどんな気持ちでやっていたのか」を入れることを意識して書いていました。

400字前後で全てを説明するのは無理なので、短い中で掘り下げたくなるフックを散りばめて、「面接で色々聞いて!」ぐらいの気持ちで書くことが大切ですかね。

山碕桜

なるほど、それは様々な就活経験を経て本選考に臨む人ならではの高度なテクニックですね!

筆者

私が受けた企業では「自己PR」というかたちのものは使用しなかったので、自己PRと内容が似ている「価値観を問われているもの」をお見せしますね♪

今までの経験から、あなた自身が社会に出て仕事をするうえで大切にしたい価値観について、ご自由にお書きください。
(300字以内)

立場が異なる相手と真摯に対話し、その中に垣間見える人間味や本音を掬い上げていくことを大切にしたいと思います。私が大学で携わっているアートプロジェクトでも、自治体、大学、NPOなど各々の立場や守るべきもの同士の折衝が頻発していますが、そこを辛抱して議論を重ねる過程で意外な方向に企画が進み、より良いものになる現場に魅せられてきました。新天地に飛び込んだり、すぐには飲み込めない価値観や想定外の出来事に出会ったりすることを通して、自分の軸がその都度大きく揺さぶられ、より太くしなやかになっていくことで、その人が手がける成果物もより豊かで意義あるものになってゆくのではないかと考えます。

ガクチカ

アートプロジェクト「○○((作曲者名) 千住だじゃれ音楽祭」の運営スタッフを務めました。作曲家の○○さんを中心に、市民参加者が自由にだじゃれなどを言い合う中から即興的に作曲する「だじゃれ音楽」を軸に様々な活動を行うプロジェクトです。担当にならなければ決して出会わなかったであろうバラバラの個性を持つメンバーと、自分なりの言葉で即興的に議論やセッションを重ねる中で、無意識に自分の中で「まず耳を傾ける」という姿勢ができていました。どんな相手に対しても耳を傾け、それを自分の理解の範疇に無理に収めることはせずに、しかし自分なりの言葉で真摯に対話する。アートプロジェクトを通して身についたそのような姿勢は、どんな分野においても必ず役に立つと考えております。

山碕桜

価値観が問われる設問は、私も本選考で経験しました!「自分がどんな人間なのかを伝える」といった点では自己PRと似ているので参考にしてみてください!

筆者

ミュジキャリで就活をして良かったこと

視野を広げてもらったことです。ミュジキャリを利用していなかったらデベロッパーとも出会っていなかったと思います。私の場合、思ってもないところに自分にピッタリの企業があったので、視野を広げるきっかけってすごく大切だと思います。ミュジキャリは、その企業・業界の「音大生第一号」として飛び込んでいく人の後押しをしてくれる場所だと思います!

山碕桜

音大→就活は負け組?

全然負け組じゃないです!
クラシックで演奏家を目指して大学に入っても、「こうじゃなきゃいけない」ということはないです。就活を通していろんな物差しにふれて自分らしい選択をしてほしいなと思います。

山碕桜

就活で得たもの、変わったことは?

2つあります。
1つ目は、緊張しなくなりました(笑)最初は面接のときに心臓がバクバクしていたんですけど、場数を踏むうちに初対面の人と話すことに抵抗がなくなりました。

2つ目は、就活に対するイメージが変わりました。
実際にやってみるまでは、就活=辛いこと、自分を綺麗にコーティングしなきゃいけない、というイメージをもっていました。もちろん自分の将来がかかっていることなので辛いことはありますが、コンクールや入試のように技術や点数が足りなかったから落ちたのではなく「合わなかったから落ちた」と考えることができます。また、自分を「盛る」ことなく、自然体で準備すればなるようになるんだと、いい意味でのんびりと構えられるようになりました。
就活は、優劣をつけるものではなく自分にあった場所を見つける作業で、色んな人に会いに行った1年間だったと思います。

山碕桜

中長期的な夢は?

出来るだけ多くの人と出会いたいです。
将来的に「色々な人が心地よく暮らせる街」を作るために、出来るだけ多くの人と出会い関わり合いたいと考えています。
大学三年間でも多くの出会いがありましたが、そのたびに新たな気づきがあり物事を多角的に見られるようになっていきました。今後も、自分と異なる立場の人との対話を忘れずに、吸収したことを自分を通して街づくりに還元できたら嬉しいです。

山碕桜

後輩へメッセージ

頑張りすぎないでほしいです。
良い意味でスパッと諦められることは大切だと就活を通して思いました。
特に、演奏家を目指して今の大学を選んだみなさんは、きっと私には想像がつかないくらい沢山沢山努力をしてこられたのではないかと想像します。その努力の才能を発揮して万全に準備して、でも努力じゃどうにもならないことは気軽に諦めて、色々な出会いを重ねてください。 置かれた状況は人それぞれだと思うので、追い詰めすぎずに頑張ってください!応援しています!

山碕桜

山碕さん、ありがとうございました!!
音大だから音楽業界やエンタメ業界!ではなく、山碕さんのように「自分がなぜ音楽にそこまでパワーをかけてきたのか?」をとことん振り返ると、音楽が自己実現の手段だったことが見えてきます。そうすると、音楽をやってきたから音楽業界という浅くて狭い業界選びから脱却でき、同じような自己実現ができる業界を視野を広くもって探すことができるので、素敵な就活ができます!

みなさんが音楽と同じぐらいパワーをもって取り組める場所を探せるよう、私も心から応援しています!

筆者

ミュジキャリでは、音大や音楽系学部に特化した就活支援サービスを無料で行っています。

山碕さんや筆者もミュジキャリで音大生の戦い方を学び、納得内定を頂きました。

就活すると決めている方はもちろん就職するか迷っている方も、まずはメンバー登録をしてみてください♪

この記事を書いている人 - WRITER -
桐朋学園大学ピアノ専攻四年生 ミュジキャリ一期生として就活をしていました。 最近エヴァンゲリオンにハマっています。 見ていた業界は、鉄道と不動産デベロッパーです。